フリースタイルの競技会やドッグダンスのデモでは、ごく当たり前に『馴致(じゅんち)』という時間が保障されます。
馴致とは、簡単に言ってしまえば、犬にその場所を知らせるための行為。
でも、実はものすごく奥の深いことで、この馴致次第で その後のパフォーマンスに影響が出ることもあるのです。

また、「リンク入り」も馴致を兼ねて スタート位置までの移動を大きくとって、犬にリンク内の匂いを嗅がせるハンドラーもいれば、脚側でリンク内をぐるりと周る人、入口からスタート位置まで一直線に脚側で向かう人、など様々です。
入り口からバッチリのアイコンタクトと脚側のまま、スタート位置に着く方が 見た目にもカッコいいけどね


綺羅とフリスタを始めて5年。

つい最近まで、この『馴致』の大切さや重要性をあまり分かっていませんでした。競技会やデモの場所は 私にとっても綺羅にとっても初めての場所が多かったので、演技する前にリンクの匂いを嗅がせてみたり、リンクの中で簡単なオビをやったり 動いたりして、その場所が怖くないことを知らせる~、くらいの感覚でいました。
他人がやっているのを真似て、何となくリードをつけたままリンクに入り 外周をぐるりと匂いを嗅がせ、少しのトリックの練習をしたり・・・

パフォーマンスをいいものにするためには、服従性と練習量が必要で、そこをキチンとしていれば、馴致は必要ない、と思っていた時期もありました。
馴致の時間は自分だけがリンクに入り イヤホンで曲を聴きながらハンドラーの動きと振り付けの確認をして終えていました。脚側歩行でリンクに入り、真っ直ぐにスタートラインに行き、綺羅に周辺を見渡させないままに演技を始めるのです。

今までに数パターンの馴致を試みましたが、納得のいく演技を出来たことが1度もないため どの馴致が私達に合っているのか分かりません。これは、演技構成自体が 綺羅と私のスキルに合っていなかったことが原因です。
そして、未だに綺羅にとってベストな「馴致」と「リンク入り」の方法は掴めていません。


先日、出演させていただいたSippo Festaのスーパードッグショー。この時は 馴致の時間はなかったため、リンク入りからスタートラインにつくまでの移動時間を、綺羅の馴致の時間としました。この時の演技自体は まぁまぁそこそこの出来でした。

放牧のような馴致

このイベントの翌日に参加したワークショップで、訓練士のY先生に 馴致の動画を観ていただくことができました。
「こうしたショーの場合、直前の馴致の保障がないのが通常。なので この馴致の仕方で 演技が6割以上成功するのであれば このやり方でOK。」
とのことでした。

ただし、この馴致法をするのには条件があるとのことで、
どんなに離れていても、「呼び戻し」が1発で効く犬であること。

そして、綺羅の場合は、今回はこの馴致で成功したけれど 次回もこれでいいとは限らない。馴致のパターンをいくつか持って、その日の綺羅の様子(目の表情、落ち着き加減、体力の状態など)を見極めて、馴致パターンを使い分けること、とアドバイスをいただいた。
この「犬の様子」を見極める、って難しい。

サブリンクでの犬の様子から、落ち着きがないのか、会場の空気に飲まれているのか、意欲が勝って勇み足なのか、などなど、を見極め、そのために 何を、どう、アプローチするのか決める、のだそうです。
でも、これにはハンドラー側のスキルが必要、とのこと・・・(ため息)

Y先生の場合は、遠隔作業が構成に入っている場合は四方向の隅まで確認させる、犬の単独での前進やバックステップが観客に向かっている場合は その作業中の犬の目にストレスがあるかどうかの確認をする、など、馴致の時間を非常に有効に使っていらっしゃるらしい。
必要があれば、自分が会場内に寝転がって くつろいでいる姿を犬に見せたりもする、とのことで、目からウロコです。
有名外人フリースタイラーなどは 馴致の際にフレキシブルリードを使って 犬が自分の処に戻ってきたら褒める、というのを繰り返すのを馴致としたりしているらしく、やり方はいろいろあるんだよね。


今朝のトレーニング時に ハタと気付いた。
いつも近所の公園でフリスタの練習をするのだけど、まず排泄も兼ねて 公園の外周をぐるりと歩いているのです。そして、水やフードの入ったバッグをベンチに置き、綺羅に「やるよ」と声をかけてた。
無意識に ルーティン化している行為。
綺羅のとっている行動も、私のとっている行動も、Sippo Festa の時とまったく同じだ。
綺羅にとっては、「外周の匂い嗅ぎ」の後に「演技」と刷り込まれているのだろうか???

練習時のこうした雑な行為を 緻密に考えていくことも、練習自体の精度を上げていくことに繋がるかもしれない。
「犬と向かい合う」って本当に奥が深い・・・




スポンサーサイト
2012.10.18 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://himekiramama.blog.fc2.com/tb.php/97-286f7052